『ToHeart2 XRATED』

 ささらシナリオでの主人公だけでなく、君望やその他諸々での主人公の(そのシナリオにおける)駄目さ加減についてですが、つまるところプレイヤーがそのキャラクターとのふれ合いを選んでいる(選択肢の決定)のにその投影先である主人公がそれを無視する(その通りに動かない)と言うところにあるわけだな。そりゃ誰だって(自分の影が)思うとおりに動かなけりゃイライラもする。この辺が感情移入云々の話題とかぶるんだろう。
 恋愛の課程における紆余曲折というのは物語的には華なんだが、物語を書く方と読む方ではその価値観がやっぱり違うわけで、誰かに一筋、という選択を与えられているなら読む方にとってはそんなことで悩むなと言いたくなるのだね。それにプレイヤーとしては当事者の一方になってるわけでできるだけ「格好良く」いきたいわけだ。現実に出来ないことを望むのだし。
 そもそも当事者でありつつ神視点をもつというのは本当に優越感を覚える部分だ。それこそ現実の恋愛ではありえないことだから。手のひらで踊る女の子たちを愛でるというハタから見るとすげぇ変態的な感覚を喜んでいる。
 そのあたりが物語で感動したい、涙したい、というのとちょっとズレがあるところなのかもしれない。
 ・恋愛もののシナリオではプレイヤーに疎外感を与えないこと。選択した行動と主人公の行動が矛盾してはいけない。
 ・恋愛への障害は、当事者同士の軋轢(攻略対象キャラに付き合う相手を選択する余地《ひゃっほー!》があるなら別)ではなく、外部からの圧力(妨害・事故など)を基本とすること。ただし事故や病気を安易には扱わない。
 ・かといって順風満帆でもよくない。山も谷もない物語を誰が好きこのんで読んでくれる?
 ・恋愛相手となるキャラクターより、より魅力的なサブキャラクターは諸刃の剣。
 ・恋愛の競争相手も諸刃の剣。
 ・ハッピーエンドでなければならない。
 なお、選んだキャラクターと対となる相手があればもっと面白くなる。選んだキャラクターより健気にみせるのが最上。このみとタマ姉はそれが足りなかった。

 ……と、書いてみたがなんか足りない気が。意図して書いてないものもあるが。創作者の端くれとしては手札を全部晒せない(笑