『塩の街』有川浩

 風見さんが感想書いてたの読んで思い出した。そういや読み終わってたんだった。
 んで感想ですが。あらすじは略するとして、やはり風見さんの言うとおり最初の二編がとても心に残る出来合いでした。滅びつつある街のなかで必死に生きて死んでいくものたちの切なさというか悲しみが諦観したように描かれている。逆らえないものどうしても抗えないものがそこにはあって如何にヒトというものが矮小なもので弱いものであるのか。死ぬ怖さや死なせてしまった情けなさといった生々しい感情の渦が上手く描かれていると思いました。反面、後半の話の流れはまさにライトノベルの本道のように思いました。恋が世界を救う。字面は確かに良いし対象読者を考えれば落としどころが他になかったのかもしれないんですが、正直に言えばもっとやりようがなかったのかと残念でした。もし自分なら――なんて考えてもたいした結末は用意できませんけど、作者の才能を考えればもっと別な結末があって良かったのではないかな、なんて思ったりもします。贅沢なんでしょうね(苦笑
 そして挿絵は違うひとが良かったなぁ(笑