特別でないただの一日

 以下ネタバレ。
つまるところ、瞳子妹説を無理なく持って行こうとする伏線にしかなり得ない学園祭であったと。雑多なエピソードを混ぜ合わせるのが今野さんの持ち味のひとつとはいえ、この作品ではいままでのそれと比較してかなり無茶であったというほかないなぁ。なんというかマリみての空気というか雰囲気が学園祭というエピソードでは発揮しきれなかった。ぶっちゃけ言うけど、やっつけ仕事したんじゃないだろうな? 前回といい、なんか最近美味しいエピソード持て余し気味に思えるんだが…。

 可南子のエピソードを一冊まるまるやってたらきっと祐巳の妹はこっちだったと思う。もしかして作者は変に盛り上がる妹話にそっぽを向きたいのかも。なんというか男嫌いの理由が前振りに比べてあまりに軽すぎて(あんな簡単に収束できるんなら)拍子抜け。そりゃ、マリみての世界で変にどろどろしたものを描きたくないというのはあるんだろうけど、読者の期待を悪い意味で裏切ってしまったようにも感じる。面倒くさくなったのだろうか。編集者とかとめなかったんかいな。これじゃ駄目だって。

 こうなればいっそ祐巳の妹は新キャラにしてもらえないかな。なにも現一年生から選ばなきゃいけないって事はないのだし。来年度には白薔薇が順当に三年、二年と揃うからには、黄薔薇紅薔薇のどちらかが揃わない方が話的に面白い。でも由乃はプレッシャー掛けられてるからこっちは作らないとマズイだろう。可南子か瞳子のどちらかはだからこっちに収まるんじゃないだろうか。特に瞳子祐巳妹へ最短と思わせておいてひっくり返すのが今野さんのやりそうなことだから。

 うーん、なんだかとりとめなくなったが、作者、あんまり考えすぎると面白くなくなるぞ、と言いたいとこでした。