おりこんに寄せて

 やはりひとそれぞれスタイルというものがある。オリジナルな作品だとそれがより顕著に見える。例を挙げればキリがないのと作者当てのネタバレになるので書かないが、それぞれの特徴がどうしても見え隠れしてしまう。ほのぼの系を好んだりSF好きだったり歴史物に傾倒していたりキャラ主体で話を作るひとや設定で勝負するひともいる。文章にもそれぞれあるが語彙が豊富なひとがやはり強い。リズムも然り。
 翻って自分はどうなんだろうと考えるがそもそも一次創作(この言い方はあまり好きではないが)をほとんど書いていないからよくわからない。では他人からみた私の作品に対するイメージはどうなんだろう。おねこんで竹仙人さんに作者当てを食らったが他のひとは見抜けたのだろうか。気になるところである。
 そもそも私はダークを好んで書いているわけではなく、どちらかといえばミステリを書きたいと指向していた。ミステリを書こうとすれば作品の傾向としてシリアスなものかより暗いものにならざるを得ない。ほのぼのとしたミステリに憧れなくもないが己の力量を思えば無茶というものである。
 本音を言えばいまだに文章の書き方が私にはよくわからない。四年ほど書き続けてきたがまだ手探りを続けている状態である。他の作者の作品を読めばまず落ち込むし敵わないとも思う。
 好きこそものの上手なれというが本当だろうか。迷い子が持つような漠とした不安がいつも私を苛むのだ。