注意!
 かなりネタバレなので気になる方は読まないほうが良いかもです。でも隠すのは面倒なので隠しません。なので読まないでね(笑


 やっとアフターに辿り着く。
 で、念のため渚シナリオをもう一度やり直してから、アフターへ。…ううん、こうきたか。尽くネタを攫われていくなぁ。まあいいけど。

 現段階での個人的評価を表すとすると、麻枝さん、そろそろネタ切れですか?って感じでしょうか。クラナドが伝えたい「絆」とか「家族」「坂道」「ふたりで」「夢」みたいなテーマで言うとどうしても麻枝さんより山田一さんの作品の方がより際だってみえてしまいます。「家族計画」とか「加奈」「クロスチャンネル」「星空ぷらねっと」なんかですが。まあ先にそちらの作品をプレイしたからっていうのもおおきいでしょうけど。
 学園ものとしてみるなら確かに異色な部分はありますが、取り立てて特筆するようなものもないかなぁ。無難なキャラで無難な(KEY的な)シナリオ。不良・落ちこぼれであるという主人公の設定が(一部を除いて)あまり生かされていないということ。(一部というのは、作品中に登場させられるキャラ数の固定ができるという状況を作れるということ。彼らに関わらない関わりたくない生徒を無視できる)、といって共感できるような人物造形なのかというと、一部分をのぞいてはやや苦しい。シナリオごとの主人公の相違は置かれた立場の相違ってことで胡麻化しうるんですが(や、まあシナリオライターが違うってのを言い訳にして欲しくはないだけですが)。あと春原の描き方が都合良すぎるよねぇ。いや面白いんだけど彼のキャラ造形はブレが大きすぎる。
 END前にまとめて明かされる過去(つまりは伏線の敷き方もしくは情報管理が上手くないと言うこと。ミステリーじゃないんだからという言い訳はお金を取るエンターテイナー?としては良くないんじゃないかと思います)。
シナリオライターごとの共通理解の不足(これは普通なら気にならない程度のことですが、キャラ同士の繋がりを重視した作品であると考えると根本的な課題となり致命的であるとも思えます)
 攻略キャラが水増しっぽいのもどうかと思う。担当キャラが増えた――とかいう裏話を聞くと邪推しちゃいますよねぇ。魁さんの事件が関わっているような記述はなかっただけに。勝平とか、宮沢有紀寧あたりクラナドの世界でどれほど必要だったというのでしょう。勝平のシナリオをそのまま春原にやらせていたらだいぶ違ったんじゃないかと思ったりもします。
 話は変わりますがそもそも恋愛を軸に展開するシナリオでは他者という要因はあくまで脇役だと思うのですよ。主人公が男性(しかも高校生)で一人称なんだから熱愛中に周りが見えない馬鹿になるのは必然だと思うし。横の繋がり云々はむしろ物語における構成因子としての存在感にあるんじゃないでしょうか。その辺、ONEとかKANONとかの悪いところを直そうとして方向性を間違えたんじゃないかと思う。大(個別シナリオ)を用いて大の効果を上げるんじゃなくて小(そのキャラ独自の背景を利用したシナリオへの干渉)を用いて大なる効果を上げるのが最上でしょう。クラナドで言えば仁科さんなんか非常に使いやすいキャラだったと思います(まああの使い方が良いというわけではないんですが。もう少し主人公に近寄らせたらいいのにっ)あと、なんで仁科さんのシナリオはなぜ無いんですかっ!<言ってることが違う
 あと正直、涼元さんは独立した方が良いと思います(笑
 
 褒めるべき点は確かに多いし、ゲームとしての作り込みは驚異に値しますが、私には肝心なテーマ(物語)の語り或いは伝え方に不満が残っています。描いた時間と省いた時間の差異があまりにも大きすぎて。或いは制作者が「KEYらしさ」に囚われすぎたのかな、とか。それとも親会社や販売会社の横槍でクリエーターとして自由に作品を作ることができなかったのでしょうか…?。

 あとはフルコンプ後に。もしかしたらすべてが私の考えすぎ(読解力の無さで)ごめんなさいかもしれませんが(笑
 あ、でも嫌いな訳じゃないですよ。なんか面白いゲームないかときかれたら充分に勧められる作品だと思いますし、恥ずかしくもない(非エロゲなので。…いや充分恥ずかしいかw)
 
 ともあれ、楽しんだことには間違いないわけで、いまのところ本年度で五本の指には入る出来でしょう(って、Fate永遠のアセリア、クローバーハーツぐらいしか遊んでないんだけどw)。上の文は単に気になる部分を論って見せただけのことです。こうやって考察することがSSにも繋がっていくわけですしね。満足してしまってはSSは書けないと思います。