待機児童ゼロの罠

 子供たちを保育園に通わせようと思っているのですが、希望の保育園は満員で困っています。来年度の待機者も十人近くいるようですし待機順番が後ろになるといつまで経っても保育園に通わさせられないことになりかねません。ちょっと遠いところなら空いているのですが、小学校に上がるときのことを考えたらまったく違う校区になるので大変です。子供たちもそうですが親同士の情報交換がし辛いのは学校内での諸々を関知できないことになりかねません。
 驚いたのは、市役所に問い合わせて「市全体での待機児童の数」を聞いてみたところ、市に点在する保育園の定員を合計すれば子供の数を上回っているので「待機児童はゼロとしか答えられない」であると回答されたことです。
「しかし現実には待機者がいるではないか」と聞くと「それは個人の事情であって、待機することを承知しているからでしょう」と答えられました。
 おいおい、ちょっと待てよ、と思いました。確かに数字上はそうかもしれませんが、それで待機はゼロなんて言われたら困ってしまいます。住宅密集地から離れた保育園には空きがあるそうですが当たり前です。住居が密集していれば人口は偏ります。少子化が進んでいる現在では保育園を新たに開設するなんていうことはほとんどないでしょうから根本的に偏在を是正する事は出来ないでしょう。それでも受け入れ人員を増やす方策ぐらいは考えて叱るべきかと思います。しかし役所は「待機者ゼロ」を錦の旗にして問題であると認識もしていないというのはどういうことでしょうか。
 どこぞの県が少子化対策とかいって合コンをしようとしているらしいですが、そもそもの問題がどこにあるのか判っていないということが如実に判ります。結婚しさえすれば必ず子供を生むとでも思っているのでしょうか。子供が欲しくても環境が阻害していることを知らないのでしょうか。もちろん所得の問題もありますが、そこは都合よく割愛(笑
 私の住んでいる市は図書館すらありません。図書館建設を公約に掲げた市長はいまでは嘘つき呼ばわりされる始末。前市長は収賄の疑いがかかっていたり。市になって歴史が浅いというのもあるでしょうがなんともお粗末なものです。それなのに新興住宅地だけは増えています。困ったものです。